事業等のリスク 印刷する

事業体制に関するリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

  1. 1. 主要アーティストについて

    平成23年3月31日現在、当社はサザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティ、Perfume、三宅裕司、富田靖子、深津絵里、上野樹里等をはじめとした、音楽活動をするソロの男性・女性ボーカル、バンド、グループ、男優、女優、TVタレント、TVの司会者等95組135名の多様なアーティスト(養成契約を除く)と専属マネージメント契約を締結しております。なおバンド等グループで活動をしているアーティストにおいては、創作活動の過程におけるグループ内での意見の違い等により構成メンバーが変更することがあります。

    第31期(平成21年3月期)は、営業収入上位3アーティスト(サザンオールスターズ、福山雅治、ポルノグラフィティ)による収入が総営業収入(連結)に占める割合が34.7%、第32期(平成22年3月期)は、営業収入上位3アーティスト(福山雅治、Perfume、ポルノグラフィティ)による収入が総営業収入(連結)に占める割合が35.6%、第33期(平成23年3月期)は、営業収入上位3アーティスト(福山雅治、ポルノグラフィティ、Perfume)による収入が総営業収入(連結)に占める割合が46.1%となっております。

    主要アーティストの活動が休止・停止した場合や、当社がマネージメント戦略上、これらのアーティストのメディアへの出演や活動を抑制した場合、当社の業績に影響がある可能性があります。また、当社では、長期的視野に立ったマネージメントを実践することで、当社の主要アーティストの当社在籍期間は長いことが特徴ですが(サザンオールスターズ33年間、富田靖子28年間、三宅裕司26年間、福山雅治23年間)、専属契約はその期間が限定されており毎回更新できる保証はなく、主要アーティストとの専属契約が更新に至らなかった場合、当社の業績に影響がある可能性があります。

  2. 2. アーティストの育成

    消費者の趣味、嗜好、流行の変化等の要因から、アーティストの人気が永続するとは限りません。当社グループは、契約アーティストが活動をする特定のエンターテインメントの領域や、アーティストの性別、年齢が偏ることがないよう様々なタイプのアーティストを保有し、継続的に新人アーティストを発掘・育成する体制を整える方針を採っております。

    しかしながら、当社グループが計画どおり新人アーティストを発掘し、専属契約締結に至るとは限りません。また、アーティストやアーティストが創作又は歌う楽曲等がヒットするために、アーティストに対し、長期かつ高額に及ぶ投資をしても、契約したアーティストが将来どの程度の収入を当社グループにもたらすかについては予測が困難であり、かかるアーティストの収益力次第では、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

  3. 3. 優秀なマネージャーの確保

    当社グループにおけるマネージャーは、アーティストの才能を見出し、支援しながら、その活動においてアイデア、企画等をアーティストに与えることでアーティストを刺激し、共同で作品を作り出します。更にマネージャーは、消費者にアーティストやその作品を提供するに当たり、作品がより正確に第三者に伝わるように宣伝・販売促進企画(コンサート・メディア出演等における演出)を実行します。当社では第1マネージメント部から第4マネージメント部と4つの部を設け、各部長を頂点に、現在、135名の専属アーティストに対し、93名の有能なマネージャーが対応しております。よって、マネージャーの資質はアーティストの活動に影響を及ぼします。そのため、アーティストを拡大していくためにはマネージャーの確保が必要となります。

    したがって、当社において、マネージャーの育成はアーティストの育成と同様に重要であり、4つの部の中でマネージメントのノウハウの伝承と質の維持を図りながら育成に努めております。ただし、マネージャーが退社した場合は、アーティストの活動に影響が生じる可能性があります。

  4. 4. プロデューサーの確保

    当社グループにおけるプロデューサーは、テレビ番組や映画・アニメーション等の映像作品を制作する上で、方針の立案や、制作スタッフの管理・統括、制作予算の管理、宣伝・販促企画等、その作品の制作開始から放送・上映までの一切の業務の責任を有しております。当社グループが総合エンターテインメント企業として様々な事業活動を展開することを可能としていく上で、映像制作部門の拡大は重要であり、上記業務を行うプロデューサーの確保及び育成は重要な課題です。

    当社グループのプロデューサーは、つねにアシスタントプロデューサーと連携することで、そのノウハウをアシスタントプロデューサーに伝承し、新たなプロデューサーの育成に努めております。ただし、プロデューサーが退社した場合は、当社グループの事業活動に影響が生じる可能性があります。

  5. 5. 著作権の侵害

    当社グループのアーティストが創作する楽曲や、権利保有する楽曲について、第三者から意図せずに著作権を侵害される可能性や第三者の権利を侵害してしまう可能性があります。このような事態によって、当社グループの事業が影響を受ける可能性があります。

  6. 6. 映画製作・買付におけるリスク

    当社グループの映画製作・買付のための投資は、共同事業体方式による方針を採っており、当社が幹事会社として出資を募る場合と、他社の企画に出資者として参加する場合があります。なお、有望な映像作品の獲得は競争になるため、希望する映像作品を全て買付けられるとは限りません。

    映像作品の個々の作品のリスクについては、製作・買付けする映像作品を一定金額までの作品に限定することや一部出資の形をとり有力なパートナーからの出資を募ることで、できるだけ分散させております。また、製作・買付した映像作品についてはビデオ化権・テレビ放映権・商品化権・その他権利等、作品に係るより多くの権利を獲得、活用することで投資回収率を高めるように努めております。

    しかしながら、製作・買付した映像作品の興行成績によっては、投資した資金の回収期間が予想に反して長期に渡ることや、損失を生じる可能性があります。特に、製作開始又は買付から作品の完成までに長期間を要することで、流行や社会状況の変化によっては、劇場に計画どおり観客を動員できない恐れがあります。また、作品によっては、経済環境や出演者の事情等の様々な理由により製作に要する投資金額が増加することや、作品の完成が予定より遅れる場合があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

  7. 7. コンサート活動や個々の作品による業績の変動

    大規模なコンサートの実施は短期間に実施期間の営業収入を急増させます。映画は上映後数週間の観客動員が多い傾向があり、DVDは発売直後の短期間に収入が集中する傾向にあります。メガヒットがあると収入が急増しますが、次に同様なヒットが続くとは限りません。

    また、ベスト盤アルバムの発売は、ある程度大きな販売数量が見込めるとともに旧譜の活用のため制作コストが低く抑えられるため利益率が高く、収益面に与える影響は大きくなりますが、その性格上毎年発売できるものではありません。

    当社グループでは、多くのアーティストを確保し、また、多くの映像タイトルを確保することで安定的な収入の計上ができるよう努めておりますが、コンサートの実施時期、CDの発売時期、映画の公開時期、DVDの発売時期等により、四半期、事業年度ごとの業績の変動が大きくなる可能性があります。

海外事業展開について

当社グループの事業活動は、国内における事業活動が中心でありますが、当社グループでは、海外映像作品の買付け、権利保有をしている楽曲の海外での再利用や権利保有している映像作品・出版物等の海外販売、映画の共同製作、当社所属アーティストの海外活動、海外アーティストの育成・マネジメント等を目的として海外、特に東アジア地域での事業を積極的に取り組んでおります。東アジアでは、ここ数年の文化交流により、他国の楽曲、映像作品の輸入や共同制作のニーズが高まっており、東アジアでの事業展開は今後の当社グループの収益上重要なものと位置づけております。

当社は中国に北京芸神演芸芸術制作有限公司、韓国にAmuse Korea Inc.、台湾に雅慕斯娯樂股 份有限公司(英文名:AMUSE ENTERTAINMENT TAIWAN INC.)を設立し、現在事業拡大に備えております。

しかしながら、こうした国々での著作権に関する法規制やその実施体制は未だ整備中であり、今後の状況によっては、当社グループの著作権が守られず、当社グループが期待する程の収入を確保できない可能性があります。その場合、当社グループの業績に支障をきたす可能性があります。

今後の事業展開について

  1. 1. 配信事業

    1. 1. 音楽配信事業

      音楽配信技術の進歩により、当社グループのアーティストが創作する楽曲又は当社グループが権利保有する楽曲を、従来のCDなどを介することなく、直接消費者に届けることが可能となりました。同時に、CD市場は大きな影響を受けております。しかしながら、楽曲配信に対する法律の未整備、インターネット利用の規制の進展やセキュリティ問題の行方など、インターネット環境の今後の変化という不確定要因が残っており、音楽配信事業についての事業展開に影響を与える可能性があります。また、インターネットの普及により、Webサイトを介しての取引や個人間の無料情報ファイルの取引等楽曲の利用に対する対価を支払わない行為が拡大する場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

    2. 2. 映像配信事業

      当社グループは、インターネットライブ中継やプロモーションビデオ等の映像の配信実績があり、今後も積極的に取り組んでいく方針です。また映画、自社制作テレビ番組、その他オリジナル映像作品(テレビメディアに向けた映像だけではなく、ブロードバンドによって可能となる媒体に向けての独自の映像作品等)の制作、権利獲得をブロードバンド環境の進展に応じてすすめる予定です。

      しかし、プロモーションビデオを始め、映画やライブ中継など映像作品のブロードバンドによる利用に関しては、映像作品にかかる権利保有者に対する収益分配がどのようになるかは現在不確定です。ブロードバンドに関するインフラ環境や新技術の開発状況により、利用者数が順調に増加しない場合、当社グループの映像配信事業の展開に影響を与える場合があります。

      また、ブロードバンド化の進展は、消費者に直接映像作品を提供することを可能とします。その結果として流通形態が変化することにより、当社の子会社であるアミューズソフトエンタテインメント㈱のDVD販売事業が影響を受ける可能性があります。

  2. 2. 再販売価格維持制度について

    音楽CD等の小売価格については、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)に規定する著作物として、再販売価格の決定・維持についての同法の適用除外を受けております。

    しかしながら、著作物再販制度の取扱いについては、知的財産戦略本部「知的財産推進計画2009」(平成21年6月24日)では、「弾力的な価格設定など事業者による消費者利益の向上を図るビジネス展開を奨励する。消費者利益の向上を図る観点から、事業者による書籍・雑誌・音楽用CD等における非再販品の発行流通の拡大及び価格設定の多様化に向けた取組を奨励し、実績を把握するとともに、かかる取組の強化を働きかけるなど、所要の取組を行う。」との表現があり、著作物再販制度が将来廃止される可能性があります。その場合に当社グループが受ける影響については、当連結会計年度末現在で予測することは困難であります。